聖書のことば 2024年7月

隣人を自分のように愛しなさい。

マルコによる福音書12章31節

 ある律法学者からの「すべての掟のなかで最も重要なのはなんでしょうか」との質問に、イエス・キリストが答えます。「心を尽くし、精神を尽くし、思いを尽くし、力を尽くして、あなたの神である主を愛しなさい」(12章30節)、「隣人を自分のように愛しなさい」(31節)。そしてこの2つが最も重要な掟だとイエス・キリストが続けて言います。ここに、キリスト教が愛の宗教だというゆえんがあります。

 「自分のように」とは「自分を愛するように」ということです。そうすると、「自分を捨てて人を大切にするように」、とイエス・キリストが言っているわけではないことがわかりますし、隣人を愛するとはどうすればよいのかがとても明快になります。

 さて、ここで「自分を愛する」を「自分を愛さない」に裏返してみて考えてみたいと思います。「自分を愛さない」人は、自分を大切にできない人です。自分を大切にできない人は、人を大切にすることも難しいかもしれません。自分を大切にするように隣人を大切にする人に、私たちもなりたいものです。

園長牧師 佐野真也