ひとりよりもふたりが良い。共に労苦すれば、その報いは良い。
コヘレトの言葉4章9節
旅をしていると、思いがけず体調を損ねてしまうことがあります。あるいは、荷物の紛失や盗難など思いがけないトラブルに遇うことがあります。それは自分ひとりではどうにもならないことかもしれません。しかし一緒に旅をしている友がいれば、必要な食糧や薬を調達してくれたり、病院に連絡してくれることでしょう、友がいっしょに警察に連絡するなど協力してくれることでしょう。
コヘレトは、この聖書の言葉の後に「倒れても起こしてくれる友のない人は不幸だ」(4:10)と記しています。「倒れる」とは、実際に、旅中の体調不良やトラブルだけではなくて、さまざまな生活の出来事によって心が折れるような体験をも意味しています。私たちの人生とは旅だと言い換えることができるからです。
皆さんも、それぞれの人生を振り返るときに、倒れるような経験をされていると思います。そのとき、助けてくれ、起こしてくれた人がいたと思います。それは皆さんの親御さんかも知れませんし、友人かも知れません。
しかしもし今、倒れても起こしてくれる人がいなければ、それはコヘレトに言われるまでもなく不幸です。誰にも相談できない。誰にも助けてと言えない。そのような孤独をかかえて生きている人もこの世にいるかもしれません。しかし、私たちには、倒れたときに助け起こしてくださる友がいます。それが、イエス・キリストです。