羊は一人の羊飼いに導かれ、一つの群れになる
ヨハネによる福音書10章16節
新約聖書の時代、羊飼いの仕事は、毎朝羊の群れを囲いから出して牧草地に導き、夕方になるとまた囲いの中に連れ帰るというものでした。遠くの場所に連れて行く時には野宿しながら夜通し羊の番をしていました。大変な重労働で、現代風に言えば3Kの、きつい・きたない・危険な仕事でした。イメージの良くない羊飼いですが、イエス・キリストはあえて自らはそのような働きを担う羊飼いだと語ります。
羊飼いが何千もの羊を全て見分け、一匹一匹の名前を呼んだように、一匹一匹の羊も、本当の羊飼いを見分けて、従います。
また、この時代は、病いの人は汚れた人たちと宗教的にも生活面でも排除されていました。イエス・キリストは、当時の宗教指導者が排除してしまうこのような人々をこそ心にかけ、その痛みや苦しみを理解し、その人たちのために命を尽くすべきであると考え、そのように働きました。
良い羊飼いが、全ての羊を一見分け、一匹一匹の名前を呼んで養っていたように、イエス・キリストがいまも私たち一人一人の名前を呼び、そして、この社会から排除されている人々の痛みや苦しみの場に自ら出向いていかれることを覚えたいと思います。そして、私たちも、イエス・キリストに倣うものとして歩むことができるよう、努めていきたいと思います。