聖書のことば2024年3月

主よ。あなたの道を私に教えてください。

詩編86編11節

 詩編86編はダビデの祈りとされていますが本当の詩人がだれかはわかりません。神をあがめ、心の奥底からの祈りと願いが連ねられています。

 詩人は「主よ。あなたの道を私に教えてください」と神に力強くむかっていくための支えと導きを神ご自身に願う。そして、「あなたのまことの中を歩みます」と決意を言い表します。すなわち、「主よ。私はあなたの真理の道をいつまでも歩き続けます。ですからその道を教えてください」と言っているのです。

 この決意は別の表現でさらに表されています。11節後半に、「御名を畏れ敬うようことができるように/一筋の心をわたしにお与え下さい。」と。

 新しい聖書の日本語訳(聖書教会共同訳)では、「私の思いを一つにし、あなたの名を畏れる者にしてください。」となっています。

 祈る者の心にも打算があり、エゴがある。だから詩人は自己の思いも清められなければいけない、ということをよく知っているのです。

 ルカによる福音書10章41~42節には、「マルタ、マルタ、あなたは多くのことに思い悩み、心を乱している。しかし、必要なことは一つだけである。マリアはその良い方を選んだ。それを取り上げてはならない」と言われた主イエスのみことばが記されていることとこの詩編の祈りは結びついています。 私たちが祈るとき・本当に神様のほうに向かおうとするとき、自分の損得に執着したり、見返りを期待する思いから解き放たれ、こころをひとつに集中することが求められることをこの詩編から覚えたいと思います。

園長牧師 佐野真也