聖書のことば 2025年1月

与えなさい。そうすれば、あなたがたにも与えられる。

ルカによる福音書6章38節

今月の聖句はここだけ読みますと、イエス様は単に世俗的な教訓を言っているようにみえます。例えば、「人間関係はギブアンドテイクで成り立っており、与えることが、最終的に自分に返ってくる」というような具合に受け止めるかもしれません。それは日本のことわざだと「情けは人の為ならず」です。

そこで文脈を理解したいと思います。35節から36節では、イエス様はこう言っています。「しかし、あなたがたは敵を愛しなさい。人に善いことをし、何も当てにしないで貸しなさい。そうすれば、沢山の報いがあり、いと高き方の子となる。いと高き方は、恩を知らない者にも悪人にも、情け深いからである。あなたがたの父が憐れみ深いように、あなた方も憐れみ深い者となりなさい。」

すなわち、「何もあてにしない」で敵を愛し、人に善いことをし、お金を貸すことを勧めます。そうすれば、「沢山の報いがあり、いと高き方の子となる」というのです。「いと高き方」、そして、「あなたがたの父」とは神様のことを指しています。

そうすると理解が少し変わってきます。「与えて」くださるのは、神様であり、神様は「情け深い方」で、神様が「憐れみ深いように憐れみ深いとなりなさい」と勧められています。「情け深い」「憐れみ深い」は「愛がある」と考えてもよいです。

「与えなさい」とは見返りなしに「与える」ことで、そうすれば神様の子になることができる、という意味です。

あまりに「いと高き」精神を勧められているので、なんだか難しいとお感じになるかもしれません。でも、見えない神様を信じ、神様がいつも愛していてくださることを信じたいのです。

園長牧師 佐野真也