地はお造りになったものに満ちている
詩編104編24節
詩編104編は、天地を秩序正しく動かしておられる神の知恵に対する賛美の詩です。
科学が発展することによって、「神は死んだ」と言われた時代がありました。しかし、卓越した科学者の中には、神の存在を信じている人が多いと言われています。国連のある調査では、過去300年間に大きな業績をあげた世界中の科学者300人のうち、8割から9割が神を信じていたそうです。科学を究めていくと、神を否定するどころか逆に、その不思議や美しさに万物の創造主としての神を信じる結果になっています。
一方、被造物のひとつとしての人間はどうでしょうか。創世記にはこう記されています。「産めよ、増えよ、地に満ちて地を従わせよ。海の鳥、空の鳥、地の上を這う生き物をすべて支配せよ」(創世記1章28節)
このことばから人間はすべての自然を神のように自由にしてよい、と考えたのかもしれません。そして、人間の歴史は自然破壊の歴史といっても過言ではないかもしれません。
気の遠くなるような時間をかけて育まれてきた自然の豊かな生態系が崩れてきていることが、今般の地球温暖化や異常気象から実感されます。
先に引用した創世記の言葉は、すべての生き物を「支配」し、自由に扱ってよいと理解されたのですが、本来の意味は「管理する」という、責任を伴う言葉遣いだったのです。
人間にはすべての生き物の管理を委託され、守る責任があると改めて理解しなおし、私たちにできることを考えていきたいと思うのです。